エピネフリン注射に代わる経鼻剤の開発に成功 -食物アレルギーによるアナフィラキシー治療に対応-

平成25 年9月19 日

エピネフリン注射に代わる経鼻剤の開発に成功
‐食物アレルギーによるアナフィラキシー治療に対応‐

株式会社新日本科学(本社:東京、社長:永田良一、以下「SNBL 」)とG2B Pharma, Inc. (本社:米国、社長:Nigel Ten Fleming 、以下「G2B」)は、SNBL が有する経鼻製剤基盤技術1)とG2B が有するエピネフリンの粘膜吸収改善処方とを組み合わせたエピネフリン経鼻剤(以下、本経鼻剤)が食物アレルギーなどで起こるアナフィラキシー治療薬として、注射剤と同等に使える可能性を動物試験において確認しました。本経鼻剤は針がないので痛みを伴わず、学童でも安全に、安心して使えるため、現在汎用されているエピネフリン注射に代わって、新たなアナフィラキシーの治療として期待されます。

SNBL は、本経鼻剤開発に先立ち、基盤技術のライセンスをG2B に供与する必要がありますが、両社は既にライセンス許諾に関わる条件概要に合意しております。現在、G2B は本経鼻剤の製剤最適化を実施中であり、併行してライセンス許諾契約書の締結に向けて協議を進めております。

アナフィラキシーショックは、生命に危険を及ぼす全身性のアレルギー反応で血圧の極端な低下や意識障害を引き起こして死亡することもあります。特に、食物アレルギーで誘発されるアナフィラキシー2)は、乳幼児や学童において深刻な社会問題となっております。鶏卵、ピーナッツ、そば等の摂取による食物アレルギーの有病率は、日本では推定1~2% (乳児が約10%、3 歳児が約5% 、保育所児が5.1%、学童以降が1.3~2.6% 程度)、米国では3.5~4% と報告a)されており、年々増加傾向にあります。現在、乳幼児や学童が自宅や学校でアナフィラキシー症状を呈した場合、保護者あるいは教職員などが、発症後30 分以内に速やかにエピネフリンを注射する必要があります。しかし、このような緊急時に医療従事者でない者が注射を打つことには、迷い、動揺、恐怖心などが起こってしまい、心理的な負担が強いために注射すること自体を躊躇してしまいます。最近、実際にこのようなことでエピネフリンを注射しなかったために、残念ながら学童が亡くなってしまうという悲しい事故も起こっています。

今回、SNBL は自社の経鼻基盤技術にG2B のエピネフリン製剤技術を組み合わせることにより、本経鼻剤が注射に匹敵する速やかで高い吸収特性を示し、アナフィラキシーの治療薬として期待できることを確認しました。近い将来、本経鼻剤が患者さんやご家族のQOL 向上に大きく貢献することを願っております。

以上

G2B Pharma, Inc.; 新たな付加価値を有する製剤の開発に特化した製薬企業であり、特許切れになった医薬品について、その有効性や安全性、あるいは使い勝手をさらに高める最新の製剤技術や投与技術を組み入れた新製剤の研究開発を行っている会社です。会社ホームページ: http://www.g2bpharma.com

【備考】

1 経鼻製剤基盤技術; 新日本科学が独自開発した国際特許を有する基盤技術で、薬物の鼻粘膜からの吸収を著しく高める粉末の経鼻製剤処方です。本技術は、種々の薬物に応用可能な汎用性のある基盤技術であり、これまでに複数の臨床試験を実施しており、安全性と有効性が実証されています。技術紹介ホームページ: http://www.snbl-nds.co.jp/jp/
2 食物アレルギーによって誘発されるアナフィラキシー; 食物アレルギーの症状は多岐にわたります。皮膚・粘膜、消化器、呼吸器、さらに全身性に認められます。多彩で強い反応が出現する状態をアナフィラキシーと呼び、呼吸困難が出現するとアナフィラキシーショックへ進展して死亡するリスクが高まります。

【参考文献】

a 国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部「食物アレルギーの診療の手引き2011 」


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