日本大学との共同研究事業に関するお知らせ -公的研究助成事業の採択について-

平成25 年8月27 日

日本大学との共同研究事業に関するお知らせ
-公的研究助成事業の採択について-

当社と日本大学( 東京都千代田区)が、共同で準備を進めていた創薬研究開発プロジェクトにつき、独立行政法人科学技術振興機構の研究成果最適展開支援事業において、下記2 件の研究開発事業が採択されましたのでお知らせいたします。

1. 課題名: 『敗血症に伴う肺水腫を改善する薬剤の開発』
研究責任者: 日本大学 医学部 日臺智明 講師
助成金額: 約8 百万円
助成期間: 交付決定日~平成26 年8 月31 日
研究概要: 免疫力が低下すると、細菌感染が全身に波及する“敗血症” を患うことがあり、 その患者の7 割が死に至ります。現在、敗血症に有効な治療法は確立されてい ません。敗血症の主な死因は肺水腫であり、血管の透過性が亢進して、肺に水 が溜まります。日本大学では、これまでの研究で血管の水透過性を抑制する生 体内蛋白質を発見しており、その蛋白質の一部を切り出したペプチドで肺水腫 の改善効果があることを小動物で確認しています。本研究では当該ペプチドに ついて、その安全性を確認し、臨床応用に向けて有効性等のデータを取得して いきます。

2. 課題名:『グルタミン酸受容体及び酸感受性イオンチャネルを分子標的とした
ビグアニド誘導体の新規脳機能保護薬としての有用性』
研究責任者: 日本大学 薬学部 益子崇 准教授
助成金額:約8 百万円
助成期間:交付決定日~平成26 年8 月31 日
研究概要:
脳梗塞は主な死因の1つで、寝たきり患者の約4 割が脳梗塞を原因とすることから介護者の負担が大きい疾患です。脳梗塞は、脳内の血管が詰まり、酸素が神経細胞に供給されなくなり、それに伴いカルシウム濃度が劇的に上昇し、神経細胞死が誘発されるために症状を増悪させることが知られています。日本大学では、脳内カルシウム濃度上昇を効果的に抑制するには、2 つの機能分子(グルタミン酸受容体NMDAR と酸感受性イオンチャネルASIC1a) を同時に抑制する必要があると考えて、そのような低分子化合物の設計及び合成を試みてきており、これまでに新規のビグアニド誘導体1の合成に成功し、小動物においてその薬効を確認しています。本事業では開発化合物の構造最適化2を行いつつ、その薬物の特性を解析し、強固な特許を出願すると共に、事業性を検討していきます。

今後、上記共同研究事業につき、基盤となる創薬シーズの可能性を検証し、産業化に向けて研究開発段階をステージアップさせるとともに、知的財産を創出・強化し、製薬企業にライセンスを導出することを目指します。

なお、本件が当社グループの今期業績に及ぼす影響は現段階では軽微であります。

【備考】

*1
ビグアニド誘導体窒素原子を5 つ含む特定構造(ビグアニド構造)を持つ有機化合物の総称。ビグアニド誘導体には、メトホルミン等の糖尿病治療薬や、抗マラリア薬、等の市販医薬品が含まれます。

*2
構造最適化分子を構成する原子を探索的に変更した化合物を複数合成し、薬効や安全性がより優れた分子を探し出す、医薬品開発の工程。低分子の化合物を医薬品として開発する場合には、一般的に実施され、その結果に基づき、最終的な開発化合物を決定します。

以 上


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